保護猫お預かりボランティア

譲渡会で出会った茶トラの男の子

今日は、隣の市で開催されている保護猫譲渡会へ足を運んできました。

目的は「お預かりボランティア」の説明を聞くため。最近になって突然我が家にやって来た3匹の子猫についての説明を聞くためです。

猫の保護活動に関心を持つようになり、自分にも何かできることがあるのではないかと感じていました。今の私にいきなり「譲渡を受けて飼う」ことは難しくても、短期間でも猫たちの居場所を提供したり、里親さんの元へと送り出すお手伝いなら出来るのではないかと思って始めたことです。

譲渡会の会場は、お寺の一室。外にはカラフルなのぼりと、スタッフさんたちの明るい声。会場の中に入ると、猫のケージがずらりと並び、可愛い瞳がこちらを見つめ返してきました。胸がきゅっとするような、何とも言えない雰囲気に包まれます。

スタッフの方に声をかけると、「お預かりボランティア」の説明を丁寧にしていただきました。子猫を一時的に預かり、健康状態を見守りながら社会性を育て、里親さんが決まったら送り出す――そんな役割だといいます。小さな命の成長を見守りながら、未来に繋いでいく大切な仕事。説明を聞いているうちに「責任の重い事だな」と思いました。

 

3歳以上の子が並ぶ列で

説明を聞き終わり、会場をゆっくりと回ってみました。そこには小さな子猫たちだけでなく、3歳以上の成猫たちも並んでいました。子猫に比べると譲渡率は下がるのかな?

愛らしい姿を見つめながら「どうか素敵なご縁がありますように」と心の中で祈りました。

そんな成猫たちの列の中で、私の視線を強く引き寄せた子がいました。

それは茶トラの男の子。推定年齢4〜7歳と書かれた札が貼られています。

彼は他の猫たちのように活発に動いたり鳴いたりはしませんでした。

後ろ足を前に投げ出すように伸ばしたまま、じっとしていました。半身不随で、自力で排尿ができない子だと説明がありました。

ケージ越しに彼と目が合った瞬間、胸の奥がずしんと重くなり、同時に何かが強く揺さぶられる感覚がありました。無言でこちらを見ているその瞳は、どこか達観しているようで、何かを諦めているようで、けれどどこかに小さな希望の光も宿しているように見えました。

「気になる……」

そう思ってからは、他の猫を見ていても、どうしても心が彼のもとへ戻ってしまうのです。

ボランティアさんの言葉

長く居座っていたのでボランティアさんに声をかけられました。

「排尿だけは出来ないけど大丈夫ですよ。」

とのこと。

その後は私のミスでお預かりしている子猫ちゃん達がケージから脱走したのをどうやってケージに戻すのか、今後どういう対応をしていけばいいのかの話を聞き帰路へ。

でもどうしても気になってしまって、子猫ちゃんの保護主さんに「あの子は譲渡決まりましたか?」と連絡してしまいました。

そうすると、お返事は

「あの子は1匹飼いがいいと思います。」とのお返事が届きました。

その言葉を聞いた瞬間、胸の中に「そうか……」という諦めにも似た思いが広がりました。

今の私は、お預かりボランティアとして3匹の子猫を預かっている。しかもミスでケージから脱走させてしまっている。彼に必要なのは「ゆっくり、じっくり、一人占めできる愛情」なのかもしれません。

頭では理解していても、心は簡単に納得できない。

「ご縁がないのかな」

そう思ったら、胸の奥がきゅっと締め付けられて、涙が込み上げそうになりました。

車椅子の夢

もしも私に出来ることがあるなら――。

そんな思いから、ふと「車椅子を作ってあげたい」という願いが浮かびました。

実際、動物用の車椅子を使って元気に走り回るワンちゃんや猫ちゃんをSNSなどで見たことがあります。後ろ足が使えなくても、前足がしっかりしていれば車椅子を装着して動けるようになる。彼にもそんな未来を与えてあげられたら……。

ケージの中でじっとしている姿を見ながら、自由に走り回る茶トラの姿を想像しました。きっと風を切るように走り、しっぽを誇らしげに揺らす姿(半身不随だと尻尾も動かないかな?)。その想像だけで、胸が熱くなりました。

北斗☆の記憶

そんな時、北斗☆の記憶が蘇ってきました。

私の長男犬、北斗☆のこと。

離婚の際に知ったことですが、彼は元ダンナに背骨を折られてしまい、半身不随となった子でした。後ろ足を引きずりながら、それでも懸命に歩こうとしていた姿。辛そうに見えながらも、決して生きることを諦めなかった姿。今でも鮮明に思い出せます。

お散歩が大好きで後ろ足を引きずって血まみれになっても楽しそうにお散歩していた北斗☆。

当時はまだ動物の車椅子なんて情報が無くて。

北斗☆のことを思い出した瞬間、茶トラの彼と重なってしまい、どうしようもなく悲しくなりました。あの時も、もっと出来ることがあったのではないか。もっと楽に、もっと自由にしてあげられたのではないか。そんな後悔が今でも心の奥底に残っています。

だからこそ、目の前にいる茶トラの彼を放っておけない気持ちが強くなるのかもしれません。彼の瞳は「まだ生きたい」「もっと動きたい」と訴えているように感じました。

それでも心に残るもの

お預かりボランティアの説明を聞きに行ったはずなのに、帰り道はずっと茶トラの彼のことばかり考えていました。

「ご縁がないのかもしれない」

「でも、どうしても気になって仕方がない」

心の中でその言葉が何度も繰り返されます。

もしかすると、今すぐに迎え入れることは出来ないかもしれない。だけど、子猫たちを送り出した後、もし状況が整ったら……。その時にまた会えるだろうか。待っていてくれるだろうか。

でもうちのは4匹の猫達とワンコが居る。

やっぱり無理だよね。

出会いは偶然ではなく必然だとよく言われます。今日の出会いも、何か意味があるのかもしれません。

彼がどんな未来を歩んでいくのか、私には分かりません。けれど願わずにはいられないのです。どうか幸せに、どうか自由に、どうか温もりの中で。

おわりに

譲渡会という場は、ただ猫を迎えるための場所ではなく、「自分自身の心と向き合う場所」でもあるのだと今日強く感じました。

茶トラの彼と出会い、心を揺さぶられ、北斗☆の痛々しい記憶もよみがえりました。悲しさや切なさと同時に、「それでも命は愛されるに値する」という確かな思いも胸に刻まれました。

今はただ、出来ることを一つひとつ積み重ねていきたいと思います。

子猫たちを送り出し、環境を整え、心の準備もして――。

そしてもし、また彼とご縁が繋がる日が来たなら、その時は全力で迎えたい。

茶トラの彼の穏やかな瞳が、今日も心の奥で静かに輝いています。

どうか譲渡会に出た猫達がみんな幸せを掴めますように。

 

帰宅後はキャットウォークのハンモックで寛いでいる、ケージから逃げ出した子達が居ました。

1匹で居た子は撫でても大丈夫。

今ならいけるかな?と、毛布で来るんで抱っこしたらお利口さんにしていてくれて、そのままケージへ。

残りは2匹。

そこへ保護主さんが捕獲機を持って来てくださり、使い方の説明と設置をしてくださいました。

保護主さんが帰られた後、もう一度覗きに行くと1匹づつバラバラにハンモックで寛いでいました。

女の子は脱走した際に捕まえてから警戒心が強くなってしまって「シャー」も覚えちゃったので放置して、男の子をゆっくりと撫でる。

大人しく撫でらせてくれていたので、これもイケると思い、毛布を取って包み込んで抱っこ。

暴れる事無く無事にケージイン!

後、残るは女の子のみ。

捕獲機に入ってくれるのはいつになる事やら…と思いながら1階に戻って犬猫と寛いでいたら、しばらくしてガタガタと暴れる音が。

入ったのかな?早くない?

と思いながら2階に様子を見に行くと見事に捕獲機に入っていました。

捕獲機に入らなかったら「2日間はご飯抜きで」と言われていたので心配だったのですが、早々に入ってくれて良かった。

ボランティアさんの指示通り、捕獲機をケージの入り口から差し込んで周りを毛布で包んで出られないように隙間を埋めて、捕獲機の蓋をオープンしたら速攻で飛び出てきました。

お利口さんだー!

今日は特別に美味しい夕飯を用意しました。

ごめんね、ありがとうね。

何度も声をかけて、後はそっと部屋を出ました。

そろそろご飯食べ終わってるかなぁ。

食べてくれるといいな。

怖い思いさせちゃったね。

ケージに戻った3にゃん
ハンモックでお寛ぎのにゃん
逃げる気満々なおんにゃの子

今、私が犬猫に命をかけられるのは、一番に北斗☆がたった2歳で元ダンナの手によって殺されてしまったこと。

あの日、寝坊せずにいつも通り仕事に連れて行っていれば殺されなかったであろうこと。

それを知らずに14年も元ダンナと暮らしてしまったこと。

それから離婚後、介護職に就き、多くの他人は看取って来たけれど、かわいい我が子達が今夜にも亡くなりそうなのに夜勤に行かなければならなかったこと。

成人して北斗☆を迎えてから6匹の犬、6匹の猫と暮らして来たけれども、看取れたのはたった2匹。

五右衛門と真央くんだけ。

だから私は今、多くの時間を犬猫と過ごせるように個人事業主の道を選びました。

また、就職活動に於いてもフルリモートを希望しています。

どうか、今いる子達の最後は一緒にいてありがとうを伝えながら穏やかに虹の橋を渡れることを願っています。

がんばろう。

がんばろう。

今はみんな元気にしてくれているけど、猫達はもう高齢期。

末長く元気でありますように。

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